無限図書館についての考察とその副産物たち1
仰々しいタイトルに負けない記事を書きたいと思いますが
いやはや、考えていた道徳ネタは時間がかかってしょうがないので、持ちネタでつながせていただきます
まあ持ちネタといったって誰かが似たようなことを考えているでしょうけどね
この話には少しだけ数学が出てきます
ご了承ください
ちなみに、いわゆる「同じものを含む順列」というものを使います
ごく軽く復習してみましょうか
いくつかの異なるものの中からいくつかの異なるものを取ってきて、順番をつけて並べる並べ方を考えてみましょう
たとえば、a,b,cという異なる3個の文字全部を使って作ることができる並べ方はいくつかあります
abc,acb,bac
などがありますが、すべて数えると
abc,acb,bac,bca,cab,cba
の6通りあることが分かります
異なる何個かのものをすべて使って作ることができる並べ方の数は、実は何個のものを並べるかによってのみ決まります
nを0以上の整数だとします
異なるn個のものすべてを使って作ることができる並べ方の数は
という式で決まります
n!というのは、nにn-1を掛け、さらにn-2を掛け……と1ずつ小さくなっていく整数を掛け合わせていき、最後に1を掛け合わせたときの、その積(掛け算の計算結果)を表します(ただしn=0の場合、n!=0!=1とします)
いま異なる3個のものをすべて並べたのでn=3
つまり3×2×1=6(通り)あるということが分かります
ではa,b,c,dの4個の文字の中から異なる3個の文字を選んで、その3文字を並べる並べ方はどうなっているでしょう
これも、異なる何個のものの中から異なる何個のものを選ぶかによってのみ決まり、この並べ方を順列といいます
異なるn個のものの中から異なるr個のもの(n≧r≧0)を選んで並べる並べ方の数は
という式で決まります
ここではn=4、r=3ですから、
4×3×2=24(通り)あることが分かります
前のa,b,cの3文字すべてを使った例はn=3,r=3だったわけです
この手の計算は実際に手を動かしてみると納得できることが多いですから、もし以上の説明に首をかしげる方がおられれば、ネットで「順列」を調べながら自分で計算してみるといいでしょう
さて「同じものを含む順列」は「順列」の考え方だけでなく「組み合わせ」の考え方も使いますので、そちらも軽く説明しておきます
先ほどは異なる何個かのものを選んで並べましたが、組み合わせは選ぶところで終わります
並べません
並べ方の数ではなく選び方の数に注目します
組み合わせは異なる何個かのものの中から異なる何個かを選ぶ選び方の数で、異なるn個のものの中から異なるr個選ぶ選び方の数は
という式で決まります(順列ではr個選んだあとr個並べる並べ方としてr!を掛け合わせていたと言うこともできます)
たとえば、a,b,c,dの4個の文字の中から異なる3個の文字を選ぶ選び方は
n=4,r=3ですから、4×3×2÷6=4(通り)あるということが分かります
いよいよ同じものを含む順列の説明です
これもごく軽く
組み合わせの説明までは「異なる」という言葉を多用しましたが、今度は同じものを選ぶことも考えます
今度は具体例から考えます
a,a,a,b,bの5個の文字すべてを使って作ることができる順列の総数を考えましょう
まずaについて考えます
この場合、3個の同じ文字aの位置の決め方は、5個の場所から3個の場所を選ぶ選び方ですから、その数は組み合わせの式より10通りあります
その各選び方に対して、2個の同じ文字bの位置の決め方は、残り2個の場所から2個とも選ぶ選び方で、組み合わせのの式より1通りあります
よってこの5個の文字すべてを使って作ることができる順列の総数は10×1=10(通り)となります
見やすくしてみましょう
このように組み合わせCの積で表すことができます
一般にn個のもののうち、p個が同じもの、q個が別の同じもの、r個がさらに別の同じ
もの、……であるとき、これらのn個のものすべてを使って作ることができる順列の総数は
となります
ちなみに最初にやった3個の異なる文字をすべて使う例はn=3,p=q=r=1だったということになりますね
今回の一連の記述は数研出版の改訂版数学A(平成18年2月24日検定済)を参考にしました